「ViVi」2003年8月号

2003/06/23発売(講談社・620円)
●BOOK&インタビュー さまぁ〜ず
さまぁ〜ず悲しいダジャレ
ずっとね、自分らが置かれてる立場に納得できないから続いている。
http://www.joseishi.net/vivi/

〜かよ!というツッコミで、一躍ブームを巻き起こしたさまぁ〜ず。次にふたりが仕掛けてきたのは、彼らのお笑いネタとなっている“悲しいダジャレ”。読むほどに悲しくて笑える、不思議な本が登場した。

撮影/村木司
衣装提供/NICOLE CLUB FOR MEN,
JUN MEN, SLAP SHOT, GGPX

悲しみの中に『笑い』があるんだと思う
 ダジャレなのに、笑うどころか、聞いている人をどこか切ない気持ちにさせる“悲しいダジャレ”。数年前から、これをライブで披露しているさまぁ〜ずが、ついにこのネタを本にした。
大竹 ダジャレって勇気がいりますよね。言った後のあの寒〜い空気とか考えると、ダジャレ自体が悲しいことなんじゃないかと
三村 そこにひと言付け加えることによって、楽しくなるんですよ。悲しいほうが、おもしろいじゃないですか
大竹 悲しいところが一番おもしろいんですよ。悲しみのある中に、笑いが多いんだと思う<イスに座っていいっスか?/死んだ店長の> <サルが去る/この世から>……。右ページには、読めば読むほど、うら寂しい気持ちになるダジャレが、そして左ページには、そこにツッコむひと言が書かれている。このツッコミが、ミョーに悲しさを増長させる。まさに、さまぁ〜ずの笑いを紙面で味わうスタイル。
大竹 1ページに1ネタで、パラパラっとめくって、20分くらいで読めちゃう活字の大きさなんでね、立ち読みで済ませようとする人も多いと思うんですよ。でもね、じつは2度、3度と繰り返し読んだほうが、どんどんおもしろさがわかる。俺自身も、1ページに1分かけてますから。……だから立ち読み禁止です!
 じつはこれが、バカルディ時代から含めて、さまぁ〜ずの初めての本となる。なんと構想2年なのだという。
大竹 舞台でやったネタはほとんど入ってないんです。本の方は活字で見ておもしろいものとして考えているんで、実際に発声してもおもしろさはわからないかもしれない。漢字で書くとね、悲しい言葉っていっぱいあるんです。“浮腫(むく)む”とか、“痩せる”とかね
三村 でも、本の話が出たのは2年前なのに、なかなか執筆に入らなくてね。書くのにかけた時間は2ヵ月もかかってないくらい。実際の執筆は2週間ですからね。同じこと半年もやってると、飽きちゃうんですよ。だから途中で作ったネタなんて、おもしろくなくなって捨てちゃったくらい
大竹 だからここに収録したネタは、どれも少し時間を置いて、寝かせてもおもしろいなって思えたものだけです

最近、“さまぁ〜ず”って名前に愛着が出てきた
 巻頭には、この本を読むにあたっての諸注意として、途中から読んだりせず、最初から順番に読むようにと書かれている。この本には頭から読んでこそおもしろいネタが、いっぱいつまっているのだ。
三村 真ん中から読んで、“へぇ〜”っていって終わらせちゃう人いるじゃないですか。うちのカミさんみたいなの(笑)。そんなんあり得ないです。続きもんなんで
大竹 ああ、俺みたいなタイプね
三村 お前もかよ! あとね、空白の部分が多い。ここんとこ、すごく書きやすいですよ。メモとか
大竹 いい紙使ってるからな
三村 ボールペンで書きやすい紙を使ってますから
大竹 じゃあ、一冊は読む用に、もう一冊はメモ用に。いいダジャレが思いついたら、自分で書き込むようにして(笑)
 ちなみに、次回作の予定は?
三村 ちょっといまね、本を出すことがクセになっているんです。意外に反応がよかったっていうのがあるので
大竹 あ、わかってもらえるんだなって。わかってもらえなかったらね、メモ帳にでも(笑)
 バカルディから、さまぁ〜ずに改名して約3年。改名後に“三村ツッコミ”がブレイクし、すっかり新しいコンビ名も定着した。
三村 もう、バカルディを知らない人もいますからね
大竹 戻すのも面倒だし、まあいいかって思うようになった
三村 さまぁ〜ずにも、バカルディと同じくらい愛着出てきたし
大竹 番組のペナルティで変えることになってから、罰の期間は長かったですね。周りから“さまぁ〜ず”って言われるたびに、バカにされているような気がしてね
 結成してからすでに20年近く。それでも、解散の危機といったものは一度もなかったという。
三村 まだ、俺らが置かれている立場というか、ポジションに納得できてないですからね
大竹 解散している暇ない
三村 だからね、いまはまだ途中。35歳でまだ成長してるんです
大竹 俺は成長と後退の繰り返しなんですけど
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